中学校教員を辞めてみた話

教員を辞めて民間企業に転職した人が自分の考えを気ままに書いています。

部活動が制限され始めるらしいって聞くと辞めるタイミングミスった気持ちになる

前回、部活動について考えたので、今回は部活動の大きな変化について書いてみたいと思います。

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部活動ガイドライン

平成30年度にスポーツ庁から「運動部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」(以下部活動ガイドライン)が示されました。
これを受けて、各都道府県でも指針が作られ、公表されました。
平成31年度は、いよいよ運用が始まる年になります。

スポーツ庁参照
http://www.mext.go.jp/sports/b_menu/shingi/013_index/toushin/1402678.htm
部活動ガイドラインで示されたことは、だいたい以下のような内容です。

①適切な運営のために
・各都道府県や市町村などでガイドラインをつくりなさいよー←これが概ね終わった
・顧問は練習計画を校長に提出しなさい←事務仕事増えないか…?
・校長は練習計画をHPなどで公表しなさい
・部活動の数を精選しましょ!
・部活動指導員を積極的に設置しましょ!
・適切な運営のために顧問に研修を受けさせましょ!←どこにそんな時間が…あぁ、お得意の夏休み中の研修か…

②合理的かつ効率的・効果的な活動の取り組みのために
・セクハラとか体罰とか絶対あかん←当たり前なのに、後を絶たない現実
・休養日の設定と時短…平日1日と週末1日・平日の活動時間2時間と週末3時間程度

③生徒のニーズに応じて
・部活の種類や合同チームも柔軟に
・地域や地方公共団体との連携を図って、体育施設やスポーツ指導の質向上、保護者理解の促進に努めましょう!

④参加大会の見直し
・参加せんでええ大会には参加しないなど、見直しましょう!

と、まぁ「また事務仕事とか研修増やすのか…」と思う部分も多々ありますが、一方で休養日については結構踏み込んだ内容になっています。

現場の反応

僕が聞いたことがある現場の反応は、概ね以下の通りでした。

賛成派

・部活動の拘束時間が短くなるので、自分の仕事を進める時間が確保できる。
・休日がとれるのでありがたい。
・足並みをそろえることで、保護者理解も得やすい。

反対派

・制限をかけず、顧問の裁量に任せるべきだ。やりたくないならやらなければ良いが、やりたい者にはやらせろ。
・生徒が必死になる機会が失われてしまう。
・競技力が低下する。
・結局守らない学校が出てくるので、意味がない。

どちらの立場も半々といったところでしょうか…。むしろ、反発の声が大きかったかもしれません。
なぜなら、部活指導がしたくて教員になった人が少なからずいるからです。
一昔前は、部活指導のために家庭を犠牲にするような先生がゴロゴロいました。
それほどの情熱を部活指導に注いできたわけです。
中には、部活指導のために各種競技団体から教員になって生徒を育成するよう勧められて教員になった人もいるのです。
部活動縮小の動きに「それなら教員を続ける意味が無くなるので転職しようか…」と悩み始める先生もいた程です。

じゃあ、好きにやらせれば良いじゃないかと思われるかもしれませんが、一方で部活指導が大きな負担になっている教員もたくさんいます。
人事に偏りができるのも部活指導の拘束時間の長さや負担の大きさが一因となっています。

んで、どういう話が出ていたかというと例えば…

・休日のうち1日は自主練と称して練習させよう。もちろん文書に残らないように口頭で指示したうえで…
・高校など外部で練習すれば、どれだけ練習してもバレないだろう
・下校時刻に一旦校門を出し、再登校させ、その後は地域のクラブ活動として練習させよう。
・そもそも、何を言われても現場は関係ないわ。

などといったことです。
そこまでするか?と思われるかもしれませんが、教員の中にはそんな人が少なからずいます。

ガイドラインに強制力はありません。
なので、各都道府県もとい各校長がどれだけ守らせるかということで、おそらく差が生じるでしょう。
その結果、決まりを守ってない学校が勝てば

「あの学校は決まりを守ってないからずるい」
「ならばうちも決まりなんて守らなければいいじゃないか」

などという声が生徒や保護者から出てくるでしょう。


部活指導に熱心なのは悪いことではありません。
前述の通り、そういった先生方の血と汗と(家族の)涙と努力の結果、日本のスポーツ競技が支えられてきた部分は少なからずあるでしょう。
大事なのは、こだわりのあまり視野が狭くなってしまわないようにすることです。
生徒にルールを守るように指導する教員が、ルールを破ることのないようにしてほしいものです。

この一年、現場はどうなっていくのでしょうか…?

追記

もちろん、熱心な先生方の中にも、定められたガイドラインを守りつつ
どうやって生徒に競技の魅力を伝えようか
どうすれば生徒の本気を引き出せるか
どのようにすれば顧問の先生方の負担を減らして大会運営ができるか
どんな日程にすれば生徒に試合の機会をこれまで通りあたえてあげられるか

現状にあわせて、運営の仕方を変えようと必死に考え、動かれている先生もたくさんいらっしゃいます。
そういう人を、僕は尊敬しています。